今回は東洋医学でいう“気”についてです。
実は結構種類があります。種類というか、場所や時期や働きによって呼び名が違うんです。
先天の精(気)・後天の精(気)・真気・宗気・原気・栄気・衛気などなど。
まず人間が生まれ落ちる時に先天の精(気)を授かり、その気は五臓の“腎”にしまわれます。原気と呼ばれ、精神や肉体の活動の原動力となります。
ただ、歳を重ねる毎に先天の気は減少します。でも死ぬまで尽きることはありません。呼吸と飲食によって気を補給するからです。
呼吸と飲食によって得られる気を“後天の精(気)”といいます。
後天の精(気)とは、呼吸によって天の気を取り入れ全身に降り注ぐ“宗気(そうき)”。また、水穀の気(地の気)は食物より取り出され、“栄気(えいき)”となって血とともに体内を巡ります。
ちなみに体外を巡る気を“衛気(えき)”といい、皮膚を守り外邪の侵入を防ぎます。これも元は水穀の精気です。
昔の人は、酸素の存在も栄養素の存在も知りませんでした。ホルモンや免疫、ウイルスや細菌の知識もありません。解明する手段のない時代。
形の無いもの。目に見えない自然を支えるもの。“気”という存在や作用を仮定することにより、人体と精神と自然の深いかかわり合い。複雑な働きを推理し、独自の医学を作り上げたのです。
2000年以上前には、今の形の原型は出来上がっていたそうです。
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