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瀬之間 和仁

春がそこまで来ています


二十四節気という季節の分け方があります。

それによると2月4~18日が「立春」。とは言っても、まだまだ冬の感がありますね。

そうです。節気は気温で決まるのではありません。

太陽の運行により夏至(昼が一番長い)と冬至(昼が一番短い)が決まり、その中間点として春分と秋分(昼と夜の長さが同じ)が決まります。

これを「二至二分(にしにぶん)」といい二十四節気の基準となっています。

春の節気は、立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨の6つ。

昔の人は、この二十四節気をさらに5日ごとに分けて「七十二候」を作りました。例えば「立春」も3つの時期に分けられます。


東風解凍(はる風がふき氷が解ける)

黄鶯睍睆(鶯鳴く)

魚上氷(魚が氷に上がる)



季節の変化を細かくとらえることで農業に生かしたんですね。


「立春」は春のはじまりです。

色々な変化が起こり、ワクワクする季節です。

でも浮かれてばかりもいられません。

春は天地の気が盛んになり繁栄しようと動き始める季節です。勢いが出る一方で不安定にもなります。


寒暖の差で自律神経が対応出来ず体調不良を起こすこともしばしば。

さらに、焦ってイライラすると体を流れる気血が滞ります。

この「気滞(きたい)・血滞(けったい)」という状態は、抑うつ感や頭痛、肩こり、喉のつかえ、お腹が張るなどの愁訴が出やすいのです。


『素問(そもん)』という東洋医学の古典があります。その四気調神大論編には、春の養生法として以下のように記述がみられます。


「天地が共に生まれて、万物が栄える季節。夜になったら寝て早く起きるようにする。そして広く庭を歩いて、髪をほどき、身体を緩やかにする。志を持って生まれる時のような気持ちになり、生かしても殺さず、与えても奪わず、誉めても罰したりしてはならない。これが春気に応じることであり、養生の道なのだ。これに逆らえば肝を傷つけてしまい、夏に寒変となり、長気に適応することができなくなる。」


何だかちょっと難しい言い回しですね~。

ようは、早寝早起きして軽い運動をする。そして、気持ちにゆとりを持って穏やかに過ごしなさい。ということでしょうか。


春の食養生についても少し書きます。

春は五臓の「肝」と関係が深いのです。五行色体表を見ると「肝」は青(緑)・酸味・筋と関係するとされます。

山菜、菜の花、春キャベツ。アサリやハマグリなどの青い(?)食べ物がよいようです。

また、ほどよい酸味は怠くなった筋肉を引き締めます。


季節のものを選んで食べると良いかもしれませんね。

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